スタッフブログ

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院長より

2024.10.11

仏教と医療倫理についてのワークショップ開催

 

10月2日に僧侶であり理学療法士でもある鈴木秀彰さんを外部講師としてお招きし、「仏教と医療」というテーマで講演をいただきました。また後半では、鈴木さんにファシリテータとして参加していただき、臨床場面で方針決定に葛藤が生じた事例を用いて、小グループで議論しました。

 

 前半では、仏教とは「慈悲のこころ」であり、これは医療と同根であること。医療を提供することは仏教を実践することである、という説明がありました。また、仏教的なリーダーシップ論についての説明がありました。仏教にもリーダーシップにも「これ」という解答はないが、「慈悲」と「謙虚」をベースにしたリーダーシップの在り方は、医療だけでなくビジネス界でも、価値の多様化した現社会でも通用する汎用性の高い姿勢ではないだろうか、というテーゼが出され、共感しました。

 

 

後半は、医療倫理の原則を仏教的に捉えた説明を受けたのち、臨床的葛藤があるケースを2つの問いに沿ってスモールグループで議論しました。これまで現場で実践してきた倫理カンファレンスは直接患者ケアに関わる職種が参加して行うものでしたが、事務や技師が入ってのカンファレンスはより中立的な立場での意見がでやすいという気づきを得ました。またカンファレンスのファシリテータの役割が重要で、職種による医療観や職種間パワーバランスを排除した進行に徹することが期待されるのを実感しました。

 

研修終了後の懇親会では、6年前に「あたたかな医療」で有名な諏訪中央病院を見学し、鎌田實名誉院長の診察場面でご一緒したときのことを回想しつつ、交流を深めました。鈴木さんから、『「あたたかな医療」を貴院からも感じましたよ』と言っていただけたことがとても嬉しかったです。今後も「慈悲」を基盤にしたあたたかくおもいやりのある医療を展開できるよう、スタッフとともに互いにリーダーシップを発揮していきたい、改めてそう感じた1日でした。

 

 

院長  玉木 千里

2023.02.02

1月31日 LGBTQ学習会

 

 

1月31日、ジェンダーフレンドリー病院を掲げる当院 は、初めてトランスジェンダー当事者の方(MtFとFtMの2名)を講師に招いての学習会を開催しました。

 

 

 

 

個人的に抱いた感想は次の通り。

・社会の枠組みやカテゴリー、法制、ルールというのは、本来個人や集団が社会生活を営む際により便利だったり秩序下に統制されたりするために作られたツールのはず。しかし、これらの境界線を設けることは同時に内と外に世界を分断することになり、外側にいる人を容赦なく傷つける。性的マイノリティーと呼ばれる人は男女二元論に則って作られた社会の仕組みによって自分のアイデンティティをことごとく剥がされ、自尊心を失い、まるで自分のコア(心)を死守するかのようにますます自身の内面への閉ざされに導かれる。場合によっては自分の「生」自体に価値を見い出せなくなり、精神の病に陥ったり、ときによって自傷に至ったりすることすらある。

 

・彼ら/彼女らが生きるための縁(よすが)となるキーワードは「人権」。これだけは誰もどんな枠組みも侵害できない個人の最小単位。ただ、この最小単位に気づいて生きる価値に開かれる人はまだ救われるが、それに気づかず、生きていることの価値も見いだせずに自分の最も内側にある心を傷つけられる人が大勢いる。

 

・社会の枠組みってなんだろう?人を傷つける枠組みや人権を侵害する仕組みって一体なんなんだろう?

 

 

今回の学習会でこんなことを考えさせられました。

 

 

私達の病院は、性的マイノリティーの人たちの「人権」を守り、誰にも侵害されない居場所を確保するため、これからも学習を続け、当事者に温かいまなざしを届け、ことばかけをし、手を差し伸べられるように精進したいという思いを強くしました。

 

院長 玉木

 

2022.09.16

ジェンダーフレンドリー病院になるために

 

現在病院でジェンダーフレンドリーな病院に向けて取り組みを行っています。

 

普段当たり前と思っていることを見直す、という作業は思ったより大変です。

 

言われたことをトップダウンでするのではなく、職員間でああだこうだと議論しながら、こういう「産みの苦しみ」を経験することで、組織って成長するものだと思います。

 

病院のリハビリテーション課が、課内で「ジェンダーフレンドリー病院になるために」というワークショップを開いてくれました。

 

素敵な取り組みでしたので、紹介します。

 

 

 

院長 玉木

2022.09.15

地域の方からのメッセージ

 

先日、コロナ第7波の中で頑張っている職員に

ささやかな和菓子の差し入れをしました。

 

お菓子1つ1つに粋な熨斗をつけてくださり、ありがたいお言葉の手紙を頂戴しました。

 

 

 

 

病院で働くことは大変だけど、地域の方々も苦しい思いをしながら病院を励まし、

支えてくれていることに気づかされる温かいメッセージでした。

 

 

職員には地域の励ましに呼応してこれからも頑張ってほしいです。

 

 

院長 玉木

2021.11.30

訪問診療について

 

 綾部市でも人口の高齢化に伴い、通院が困難になられる方が増えることを見越し、医療を受けられない人を少しでも減らすために、病院として訪問診療に力を入れていく方針としました。

 

 以前から病院周辺地域の少人数に絞って訪問診療を実施してきましたが、今後は範囲を拡大していきます。

 

 当院は、車の運転が難しくなり通院が困難になった方だけでなく、認知症や精神疾患などのために外来通院が難しい方、人生の最終段階を安楽に自宅で迎えたい方、高カロリーの点滴管理や胃ろう、人工呼吸器など重度の医療を必要とする方にも、ニーズがあればできる限り応えていきたいと考えています。

 

 

 また、当院で実施している無料低額診療事業は在宅医療にも適応しており、医療費にお困りの方にも積極的に応じていきます。

 

 安心で良質な医療・介護を届けられるにるよう、地域の看護・介護関連事業所の方とも密に連携し、住み慣れた自宅(施設)で最期まで安楽に過ごしたい方々の希望や思いに寄り添っていきます。

 

 

 

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

院長 玉木千里

2021.11.30

第6回J-HPHカンファレンス2021

 

第6回J-HPHカンファレンス2021 (https://www.hphnet.jp/) に演題名「医療従事者のうち事務系と非事務系で歩数に差はあるのか?~全常勤職員歩数調査より~ 」でエントリーしていたポスターセッション研究報告の部で優秀演題に選んでいただきました。

 

これも偏に企画デザインからデータ収集、発表形式の助言にいたるまで多層に渡って協力いただいた医局の先生方、何より92%の参加率で歩数調査に協力してくださった病院職員の皆様、そして、今回の素晴らしいカンファレンスの運営に携わられ、他の素晴らしい数多くの演題の中から私の演題を選考していただいた運営・事務局の皆様方のおかげです。

 

改めて全ての皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました!

 

今回の受賞を励みにJ-HPHネットワーク加盟病院の名に恥じぬよう、ますますまちづくり、患者・職員の健康づくりの啓蒙・研究活動に励みたいと意を新たにしているところです。

 

 

今後ともご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

 

院長 玉木千里(院長の許可を得てFacebookより転載しています)

 

2021.01.01

本年もよろしくお願い申し上げます

謹んで新年のお喜びを申し上げます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

さて2021年初のブログです。

新型コロナウイルス感染拡大防止のために活動されている、「あやべPCR検査を求める会」の皆さまから、綾部の風景を描いた色紙と心温まるお手紙をいただきました。色紙にある切り絵は、新聞折り込み広告を利用してちぎり絵として作成されたそうです。ありがとうございました。

ここでお手紙の内容を紹介させていただきます。

 

「昼夜を問わず私たちの健康・生活を支えていただいていることに、心より感謝申し上げます。また、皆さんは、全国的な新型コロナウイルス感染拡大のなか、直接対象者と接触する機会が多かったり、どうしても密の場での勤務を余儀なくされるなど、『いつ感染するか』『自分が感染させてしまわないか』等、想像以上の精神的負担をかかえておられると思います。私たち市民を、新型コロナウイルス感染拡大から守りながら仕事をしておられることに対して、患者の言葉しかありません。本当にありがとうございます。

 私たちは「3密」を避け、一人ひとりができることをやっていきます。もちろん、行政に対して物心両面にわたり支援を要請していきます。

 今日は、皆さまの献身的な取り組みに対して応援したく、色紙を作成し持参しました。新型コロナウイルス感染が収束するまで、それぞれの立場で知恵を出し合い奮闘しましょう。」

 

 

新型コロナ感染症に負けず地域の皆さんの健康を守るために、本年も差額ベッド料なし、無料低額診療事業、HPH活動などを通して、住民の側を向いた無差別平等の依頼を一層推進したいと思います。

本年も変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

※「協立病院だより1月号(No168)」はこちらから

2020.12.16

「高齢者栄養療法認定医」を取得しました

ちょっと前のことですが、「高齢者栄養療法認定医」という資格を取得しました。

日本老年医学会から認定を受ける資格です。従来自分のサブスペシャル領域として認識している「リハビリ」「静脈経腸栄養」「高齢者医療」のちょうど重なっている領域の専門性を客観的に示す資格だと考え、この資格取得にチャレンジしたところ、その力量を認めていただけたものと考えています。

これからは、この資格に恥じぬよう、地域の方々の健康増進にますます貢献していきたいと考えています。

 

 

 

院長 玉木千里

2020.11.12

あかた ちかこさん講師 LGBT学習会

2020年10月29日に完全オンラインによる京都北部学術運動交流集会を開催しました。

 

この集会の学習記念講演として現在京都精華大学や大阪人間科学大などで、ジェンダー問題にとどまらず

ティーンの性教育者や恋愛相談屋さんとして幅広くご活躍の「あかた ちかこ」さんをお招きし、

LGBTについての学習会を開催しました。

(あかたさんの紹介はこちらの記事など参考に https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/115297)

 

みなさんは「LGBTを知ってどうすんの?」「LGBTのことについて学ぶのは誰のため?」

「LGBT問題って何が問題?」「カミングアウトが一番しづらい相手は?その理由は?」

「そんならカミングアウトしいひんかったらいいやん、ってどうなん?」「LGBTのなにがしんどいの?」

という問いかけに明快な解答を持っておられますか?

 

今回の講演では、これらの質問を聴講者に投げかけつつ、重いテーマでありながら、

終始テンポの良い大阪弁と大きなジェスチャー、そして豊かな表情によって楽しく語る内容に、

終始笑わされ、泣かされ、圧倒されっぱなしの1時間でした。

 

講義を貫いていたメッセージは、LGBT問題とは「性で悩んでいる可愛そうな人たちの問題」ではなく、

「人権・差別の問題」だということです。

つまり、あなたと私は違うという「違い」を出発点とした「認めあい」ができているかという問題だということ。

そして、「人権を擁護する」ということは「人とは違って当たり前」の自分自身を擁護することに帰結する、ということです。

 

他にも、「性別」と一言で言ってもそこには社会的性別、性自認、身体的性別の分類があり、

その解釈は非常に複雑であること。「性別は揺らぐもの」「自分の性別は他人(ひと)ではなく自分で決めるもの」

などの言葉は医療人としては知っておくべき重要な認識だと感じました。

 

今回の学習を機に、これから病院としてすべての患者さんが「快適」まではいかなくても

「居て不愉快にならない」病院をどうしたら作っていけるかを検討していきたいと強く心に刻みました。

 

※写真は会場や参加者全員でとったスナップショット

 

院長 玉木千里

2020.03.14

在宅介護のプロフェッショナル~家屋評価に同行して~

本日十数年ぶりに当院のリハビリスタッフとソーシャルワーカに同行し、私が受け持つ入院患者の家屋評価に参加した。


患者さんは、もともとADL(日常生活自立度)自立で独居生活をしていたが転倒で骨折し、現在当院の回復期リハビリ病棟に入院中の高齢男性。諸事情により、残念ながら病前より大きくADLを下げ、車椅子移動レベルでの帰宅予定となっている。


そこで目の当たりにしたのは、倒れたときそのままの所狭しとモノであふれた居室をテキパキと片付け、家具の配置を決め、車椅子移動での動線を確保していく在宅介護のプロたちのとても「格好いい」姿だった。そう、それは日頃の病棟での姿とはまた一味違った紛れもないプロの仕事であった。

 

 

私はスタッフのその「格好いい」姿を、ぼーっと突っ立ってただただ羨望の眼差しで見入っていた。そして、帰りは患者さんが病棟で飲むのを楽しみにしているインスタントコーヒーを賞味期限を確認して持って帰ってくるちゃっかりさ。終始脱帽。

 

今回のような経験は普段病棟で仕事をしているとなかなか鍛えることができない、「している」ADLと「しなくてはならない」ADLの隙間を埋める想像力の訓練になる。また、このような過程を終えてすでに何もかもが整備されているご家庭にいくため、実は訪問診療をしていても未整備の状態を想像することはなかなか難しい。

 

今回の訪問を終えて在宅スタッフはいつもこの過程を経て、訪問診療ができる環境をお膳立てをしてくれていることに自然に思いが至った。改めて在宅スタッフに感謝!

 

(写真は患者さんの許可をいただいて掲載しています。)

 

院長 玉木千里

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