昨日は、勤務時間後に院内で行われた、若手職員主催の「憲法カフェ」に参加した。
若い職員の参加が多く大いに刺激を受けた。
講師は今春の京都府知事選挙で大活躍した福山和人弁護士。
・高い学費と不十分な奨学金。
・下がり続ける実質賃金と増える非正規雇用。
・消費税増税分が法人税減税に充当され、増える内部留保と格差格差。
・世界の先進国と比較して、異常な状態に置かれた状況のもと、
・自己肯定感や将来への希望が持てず、社会が変えられると思えない日本の若者の現状…
そんな前振りの後、じゃあどうすればいいの?
「憲法を知ろう」と本題へ。
スマホで「日本国憲法」の条文をカンニングしながら聞いていたが…
http://www.peace-toyama.jp/9jyou/image/pdf/kennpou.pdf
・日本国憲法で一番大事な条文は、第十三条「すべて国民は、個人として尊重される」。
人は「生産性」などに関係なく、そのままで大切な存在である。
・「日本国憲法の三原則」は国民主権、平和主義、基本的人権の尊重と習ってきたが、
これらは第十三条を実現するための手段である。
・第二十五条「生存権」は、アメリカ、イギリス、ドイツ憲法にはなく、フランス、
イタリアでも労働できない人などに限定されている。
・第九十九条「憲法尊重擁護の義務」を負うのは6種類の人。
天皇、摂政、国務大臣、国会議員、裁判官、公務員だが、これは、戦前に戦争を起こし
国民を弾圧してきた人たち。
2012年自民党憲法草案はこの真逆で、国民に憲法尊重義務を押しつけ…
目から鱗の話の後、グループ討論は大いに盛り上がった。
「根本的には税金の使い方を変える必要があるが、
まずは身近で気になることに取り組んで、成功体験を積み重ねよう」という講師のまとめに納得。
今朝の朝礼はこの話題で持ちきりで、とりわけ若手から
「こんな話は初めて聞いた」
「普段はラインニュースしか見ていないので…」
終了後もいろいろ話をしていたようだが、企画した若手職員は今日もキラキラしていた。
院内で、これからも憲法を学ぶ機会をつくろうという雰囲気が出てきたのはすごい。
「明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)」のHPに
「憲法カフェ」のQ&Aが載っている。
こんな時代だからこそ、いろいろなところでこうした取り組みが広がってほしい。
とりわけ若い人たちが中心に取り組めば、大きな変化が起こると実感した。
医局長 門 祐輔
(門医師の許可を得てFacebookより転載しています)